調査会社のニールセン、小売分析部門を分割か

時価総額70億ドルの調査会社ニールセン(Nielsen)(NYSE:NLSN)は、小売分析部門を独立させ、株式公開すると発表した。2018ごろから経営戦略見直しの選択肢の一つとして、会社自体の身売りを検討していることを明らかにしていたが、分社化という選択にいたったようだ。

 

ニールセンはコンシューマーバイとコンシューマーウォッチという二つの大きなプロダクト軸をもっている。コンシューマーバイはPOSデータなどの情報を元に消費者行動の計測や市場規模を測定する事業であり、コンシューマウォッチはテレビを中心とした視聴率調査だ。しかしインターネットメディアの急速な発展に伴いシナジーが強かった二つの事業のシナジーが弱まっている。視聴率がある時間帯に番組を流してそれが消費動向にどのように反映されるか...といったコンサルティングはどんどん全時代的になっている事は言うまでもない。さらに、これは、物言う株主エリオットマネージメント社の圧力も原因だといわれている。ニールセンのこの分離案の発表後、エリオットは同社の決定を支持する声明を発表した。同社の小売分析部門と視聴率分析部門では現在、視聴率分析部門のほうが好調で、小売分析部門は不振に苦しんでいる。また視聴率部門についてもテレビ離れが急速に加速することを考えると視聴率と言う指標自体に疑問を投げかける声は多い。

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